立ち仕事で生じる腰痛 神栖市20代女性
はじめに
今回紹介する症例は、立ち仕事で腰の痛みが増すという20代の女性です。結論から言えば、今回の症例は、主に腹筋を始めとした身体の使い方に腰痛の原因がありました。
こういった腰痛は、運動が苦手な女性、肥満傾向の男女に多い印象です。
身体の使い方に原因があるケースだと、整体だけでは治りにくいのですが…。
今回は理学療法士監修の運動療法を交えて治療を行い、良い結果が得られた過程を紹介します。
注意事項
今回紹介した治療の内容は、専門家の詳細な評価に基づいてプログラムされたものです。個々の症状や体調によっては結果が異なる場合がございます。
問診 「反り腰が悪いんじゃないかなって思います」
施術者「どんな痛みでお困りですか?」
患者さん「ずっと立ってると腰が痛くなってくるんです…。素人なので分からないですけど、たぶん反り腰が悪いんじゃないかなって思います。」
施術者「お辛いですね。確かに、反り腰も関係があるかもしれませんね。ご自身では何か対処をされていますか?」
患者さん「ストレッチをするようにしてるんですけど、どうも効果が実感できなくて。整体で治るのか分からないですけど、googleでレビューが良かったので、診て欲しくて来ました。」
施術者「ありがとうございます。では、身体の検査をしていきましょう。」
検査 「腹筋ができないんです!」
まずは、おおまかな検査を通じて腰痛のタイプを確認していきます。
- 痛み:腰を反らした時に、右の腰の一部分が詰まる感じがする。立ちっぱなしで痛くなる感じと似ている。うつ伏せでも痛くなる時がある。
- 姿勢:骨盤の位置が足の位置よりも前にずれていて、腰が反っている。
- 身体の硬さ:立った状態から床を触れない。
どうやら、腰が反りやすい傾向にあり、逆に丸めるのは苦手なようでした。
また、腰の安定性を評価する為に、筋力の検査を追加しました。
施術者「仰向けで、肩甲骨が浮くまで状態を起こして下さい。せーの!」
患者さん「うー!上がりません!きついです‥!」
- 筋力:上体起こしにおいて、肩甲骨が浮くまで上体を持ち上げられない。
まとめると…
腹筋が弱く+腰が反りやすい→反らすと痛みが出る
という状態ですね。
評価と説明 「骨とか関節に頼りすぎなんですね…」
施術者「椎間関節性腰痛の可能性が高いです。」
患者さん「ついかんかんせつ‥?」
施術者「椎間関節とは、背骨と背骨を連結する関節のことです。簡単に言うと、背骨を柔軟に動かす役割、体重を受け止める役割があります。」
患者さん「ふむふむ。」

施術者「重要なのは、体重を受け止める作用があると言うことです。人間は筋肉が疲れてくると、椎間関節に過剰な体重を預けるようになります。すると、椎間関節に負担がかかりすぎて痛みを発するようになります。」

患者さん「確かに、疲れてくるとつい姿勢を悪くしちゃいます。それが楽なんですよね…」
施術者「そうですね。骨や関節に体重を預けるのは楽なんですけど、あまり預けすぎると痛みを発するようになります。お腹の筋力で負担を分散することも重要です。」
患者さん「筋力の問題ってことですか?筋トレをしたほうがいい…?」
施術者「筋トレというよりは、身体の使い方の練習、と言った方が正しいですね。痛みをそもそも起こさないために重要です。やりながら説明しますね。」
患者さんの腰痛の分類として、「椎間関節性腰痛」について説明しました。
さあ、施術です。
施術 「他の整体で、そこに施術をされたことなかったです」
整体では、椎間関節性腰痛と繋がりの深い、お腹や腰の筋肉に対して重点的な施術をしました。

施術者「お腹の筋肉に施術していきます。苦しくないですか?」
患者さん「苦しくはないです。なんだかつーんと効いてる感じがしますが、心地よい感じです。」
施術者「大丈夫そうですね。しっかりほぐしていきます。」
5分後…
施術者「さっき痛みが出た検査を行います。これ、痛みますか?」
患者さん「いや、全然痛くないです!不思議。さっきよりも動いてる感じがします。」
運動療法
施術者「まずは、呼吸の練習をしていきましょう。」
患者さん「呼吸ですか‥?」
施術者「呼吸です。反り腰の状態だと、呼吸筋のバランスが崩れることで、体幹が不安定になります。反り腰の改善には、呼吸状態の改善が重要になります」
患者さん「なんだかよく分からないけど、大事なんですね。」
施術者「すごく大事なんですけど、分かりにくいですよね。例えば、空気の詰まったペットボトルは押しても簡単には潰れなそうですよね。」
患者さん「そうですね。」
施術者「この状態は、安定した体幹と似ています。呼吸がしっかりできていて空気の出入りが安定していると、ペットボトルと同じように体幹は潰れにくくなります。」
患者さん「確かに。」

施術者「ただ、このペットボトルから空気を抜いて圧力をかけると‥(ぐしゃっ!)。簡単に潰れてしまいます。空気の入りが悪いと、重力に対して安定性を保つのが難しくなるんです。」

患者さん「なるほど。思い返せば、マスク生活で深呼吸なんかあんまりしなくなったような。」
施術者「それも一因としてありそうですよね。あとは、腹筋の使い方にもコツがあったりするので、それも練習していきましょう。」
患者さん「お願いします!」


患者さん「こんなことやったことないですけど、思ったよりきつくなくて安心しました(笑)」
施術者「まずは正しい動きを学ぶことから始めますから、負荷としては物足りないくらいのところから始めます。自主トレのアプリにも送っておくので、週に2~3回は確認するようにしてくださいね。」
患者さん「アプリで復習できるんですね。必死に覚えなくてもいいんだ。助かります。」
経過 「痛みはあるけど、原因が分かっているから安心しています」
運動療法は頻度が重要なので、自主トレも行なっていただきながら、週に1〜2回通院していただき、整体と運動療法を実施しました。
治療を開始して1ヶ月が経過した頃。
施術者「ここ最近、痛みはどうですか?」
患者さん「通う前よりは断然良いです。仕事で疲れてくるとちょっと気になるけど。最初が100%くらいだとすると、20%くらいの痛み具合です。」
施術者「お、だいぶ変わりましたね。」
患者さん「嬉しいです。正直、最初は呼吸なんかで腰痛が治るの?って思ってたんですけど‥(笑)。最近は、呼吸を意識することで身体が安定する感じが分かってきました。」
施術者「そうだったんですね(笑)結果的に分かったようで何よりです。」
患者さん「あと、痛みが完全に治ったわけじゃないけど、原因が分かっているので安心していられるのも大きいかもしれません。前はただただ怖かったんですけど、今は立ち方とか、休み方なども分かっているので、痛くなっても安心です。」
施術者「嬉しい感想です。結局は、ご本人が身体を大事にできることが重要ですからね。」
最後に
今回の患者さんは、筋肉のバランスに加えて、呼吸パターンの乱れや腹筋が弱っていた影響で腰痛が生じていたケースです。
こういったタイプの腰痛は、身体が柔らかいヨガの先生や、運動習慣のない・運動が苦手な女性に多い印象です。
反り腰だから痛い、というのも大きく間違えではないんですが、動画サイトの体操や簡単な体操では治りにくいのも実情です。
当院では、患者様の身体の状態や体力に合わせた施術、運動療法を提供し、痛みの治療に伴走します。
このような症状でお悩みの方は、ぜひ腰痛専門整体院-HISUI- までご相談ください。
 
															 
															 
								 
								