筋トレの時にお尻が痛む20代アスリートの改善例

 

筋トレの時にお尻が痛む!

鹿島市20代男性 アスリート

注意事項

今回紹介した治療の内容は、専門家の詳細な評価に基づいてプログラムされたものです。個々の症状や体調によっては結果が異なる場合がございます。

施術者「どんなことでお困りですか?」

患者さん「普段は平気なんですけど、トレーニングで深くしゃがむときにお尻がすごく痛みます。」

施術者「トレーニングの時ですね。何か対処はしていますか?」

患者さん「整形外科に行きましたが、画像初見では異常がないみたいで、またひどくなったら受診するように言われました。3ヶ月後の試合までに不安なことは治していきたいんですけど…」

主なお困りごとや来院動機

・デッドリフトやスクワットの時に、右のお尻の奥が鋭く痛む。

・数ヶ月後にサッカーの試合があるが、不安なのでそれまでに治したい。

・病院に行ったが特に異常なしと言われ、整体院を探す中で当院に行きついた。

検査・評価

今回の患者さんはハイレベルなアスリートのため、当院の整体施術者と系列のパーソナルジムのトレーナーと共同で評価しました。

問診と検査の結果はこのような状態でした。

〈痛み〉

深くしゃがむような動作をした際に、尾骶骨の右側付近に鋭く限局的な痛みが生じる。

筋肉に圧痛はなく、特定の動作時にのみ痛むので、炎症症状はないと判断。

〈動作〉

筋トレの時の痛みが強いので、実際にデッドリフトをやっていただきました。

重心が高い状況ではまったく痛くないものの、しゃがみこんだ状態になると強く鋭い痛みが生じるようです。

詳細は割愛しますが、動作分析からみると股関節の使い方に改善の余地がある印象を受けました。

〈関節可動域や柔軟性〉

股関節の硬さをチェックすると、右側に屈曲(太ももをお腹に近づける動き)方向の硬さがみつかりました。また、それを裏付けるように、お尻周りの筋肉が硬くなっており、股関節を曲げにくい状態でした。

ふむふむ。

特定の動作でのみ痛む、ということは。

特定の動作により、特定の負荷が加わった時にのみ痛くなる。

と考えますので。特定の誘因がなく痛みを発する症例よりは、よほど原因はシンプルです。

フォームや、筋肉・関節のバランスに問題がありそうですね。

当院にはアスリートの方も来院されます。そういった方々は、特定の筋や関節が極端に硬い傾向があります。

まさにこの方もそのタイプです。

「頑張るが故に故障してしまう。」悩ましいことです。

が、そんな頑張る方を応援しています。

話を戻して、今回は、デッドリフト時のフォームや、身体的な評価から、仙腸関節の動きに着目してアプローチしました。

解説 〜仙腸関節について〜

仙腸関節とは。上半身と下半身をつなぐ関節です。上半身は仙骨を、下半身は寛骨を通じて関節を形成しています。

簡単に言うと、上半身と下半身の力の伝達を行う関節です。仮に仙腸関節が著明な機能障害を起こすと、下肢の脱力感を自覚するようになる人もいます。

仙腸関節は、膝関節や股関節などの関節に比べると、可動性はほとんどありません。

数値にすると、2mmくらいしか動かない関節です。

ですが。仙腸関節の周りには、多くの靱帯や筋肉があり、痛みを感知するセンサーが非常に密に存在しています。特定の負荷が加わると、内在する痛みのセンサーが痛みを知覚します。

仮説ですが。

今回の方は、

・反り腰傾向が強く、仙骨が前傾パターンになりやすい

・痛む側の股関節に屈曲制限があり、寛骨が後傾パターンになりやすい

と考えました。

仙骨と寛骨の動きが、全く逆の方向に強調されているのです。

そうすると、仙腸関節の下側にある組織が引き伸ばされて痛い、ということが起こりえます。

赤い丸で囲んだ部分の靭帯に伸びのストレスがかかるイメージです。

厳密にはこの動きは非常に重要な動きで、身体を安定させる働きもあるのですが。

今回は痛みの原因として仮説して介入を開始しました。


施術

Aさんに対して、

骨盤周りの筋肉の調整

下肢のAT(アナトミートレイン)ストレッチ

寛骨の他動運動

を施術しました。

寛骨の前傾を制限するのは股関節後方の筋肉、ハムストリングスや殿筋です。

しっかりほぐした上、関節運動。股関節の動きを出しやすくしていきます。

アナトミートレインとは、全身が筋膜で列車のように連結しているという概念です。当院では、アナトミートレインの概念に基づいて全身の動きを改善するストレッチを、トレーナー監修のもと提供しています。

運動療法

フォームの修正

腹圧のトレーニング

股関節や腰の矯正

仙腸関節の負荷を緩和する方向を考慮して、運動療法を実施します。写真の運動療法は、ほんの一例です。

また、この方は日々トレーニングを重ねるアスリートなので。トレーニングの相談にも乗ります。

具体的には。

・痛みが出た時の対処法

・痛みの原因と治療方針

・セルフケアの目的と方法

・トレーニングメニューの相談

など。

科学的な根拠に基づいて、人々の健康の最適解、可能性を模索する。

様々な分野の専門家によって、整えるだけではない。鍛えるだけではない。

その人の本当の意味での「健康」をサポートします。

施術後…

 

介入を開始して1か月経過したころ。

患者さん「最近はあの痛みを感じなくなりました。フォームを修正したから、少し違和感みたいなものもあるけど、少しづつウェイトも増え始めています。」

痛みが出てた動作を繰り返しても、以前までのような鋭い痛みは出なくなったようです。

ひとまず、痛みが出ない方向に治療を進めることができたようですね。

最後に…

スポーツをされる方は、日々同じ動作を反復して繰り返して、洗練されたスキルを身に着けていきます。しかし、柔軟性や可動性に欠けた状態で、誤った動作パターンを反復することは、怪我や故障に繋がる恐れもあります。

自身の身体の特徴を知ること、必要な動きを適切に学ぶことは、非常に重要です。今回は、運動の専門家による動作の評価と解剖学的な考察から、痛みの根本的解決に至った症例です。

当院には、スポーツ障害に対応できるスタッフも在籍しています。

このような症状でお悩みの方は、ぜひ腰痛専門整体院-HISUI- までご相談ください。

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